【奈良】【大阪】【警備】 「容」
2026/01/28
容
寒中お見舞い申し上げます。寒さ厳しい日々が続きますが、いかがお過ごしですか?
新しい年を迎えて、はや1ヶ月が過ぎようとしています。
年の初めとしては余り堅苦しい話題を避けて若い頃の体験談を交えた思い出をお話しします。
大学を出て公務員をしていた私は、仕事を替えて民間の営業の世界に入りました。
この頃の私は営業のイロハを知りませんでしたが、誰にも教えを乞うことなく自分なりの考えで営業職をやり始めたのです。
自己流に飛び込みで仕事を頂戴する為に何社にも何度も出向いていたのですが、その内のある会社の社長が、ある日声をかけてくれました。
社長室に通してもらって「君はいつもスーツにネクタイ姿やね」「スーツとネクタイは言わば『裃』のようなものです。私は仕事では常にスーツとネクタイ姿です。何時、誰が会社を訪ねてくれるかわからないからです。」「訪ねてくれた相手と会うときは、相手に敬意を払うと言う意味でのコスチュームだと考えています」「あなたは営業で会社を訪ねてくれましたが、私もあなたが会社を訪ねてくれたことに対して敬意を表する意味でスーツとネクタイで、お迎えしているのです」と、話してくれました。
当時の私にしては、それほど大きな意味を持つことがないと考えていた「見掛け・姿・容姿」は、ビジネスの世界では、大変重要である事を教示してくれました。この時の会話と、おもてなしの姿勢に深い感銘を受け、その後の私の会社員としての生き方の基礎となりました。
さて、私が朝出勤する途中に一部上場会社の工場があります。
工場の正門には警備員さんが一人で立哨しています。
数人交代で勤務をされているのでしょうか、見る日によって別の方が立哨されているように思います。
その中で、ある一人の警備員さんは沢山の職員さんが出勤時に門をくぐる際に、着帽した制服姿で間団なく「おはようございます」と、言って頭を下げているのです。本人としては朝から大きな声で一人一人に挨拶をして、皆さんに気持ち良くその日を迎えてもらうための思いで、精一杯声掛けをしているのでしょう。
しかし着帽の制服姿では、挙手の敬礼が当然の姿であるはずなので、制帽姿で頭を下げる姿は礼式を知る私にはとても奇異に映ります。
仕事柄、制帽姿で頭を下げる姿を見るにつけ「彼の所属する会社は、彼にどんな教育を施しているのだろう」なんて、考えてしまいます。
もし私が、あの頃あの社長にお会いした時、スーツにネクタイ姿でなかったら、あの社長は私の「容」に奇異を覚えて、社長室には通してくれなかったかもしれませんね?
どれ程時代が急激に変容しても、人生の中で享受する他人様からの言葉や教育は、人生の重要な「道標」になる真実は変わらないのではないのだろうかと思う今日この頃です。
