【大阪】【警備】【奈良】遠くて近い・古くて新しい教え
2023/05/01
新しいホームページに替わって初めて教育担当の「ちゅんぺい」が、教育に少し関係する内容をアップしました
堅苦しい内容ではありませんが少し長文になるので、途中で飽きずに最後まで読んでくだされば幸いと思います
さて、私が高校2年生の今から約57年前の話から始めたいと思います
私が通っていた高校は、当時は案外優秀で、先輩や同級生には、京都大学をはじめ、大阪市大や奈良県立医科大学等の難関国公立大学や早稲田大学等の有名私立大学に入学する輩は珍しくなく、そこそこの進学校でした。
世の常で当然のことながら、優秀な生徒もいれば落ちこぼれも沢山いました
私は落ちこぼれの筆頭で、同類を憐れ、傷を舐めあう連中が特に私の学級に多く集まっていました
私の学級と表したのは、私が2年と3年の2年間も学級委員長をしていたからで、他意はありません
学級委員長は優秀な人材は勉強時間が惜しいので、煩雑な運営をしなければならない、この役目を避ける傾向にあるのです
必然的に勉強が出来ない落ちこぼれに回ってくるだけの事です
落ちこぼれの連中の中でも、特に仲が良かったのは私を含む5名で、この5名は全く勉強をせず仲良く、つるんで、度々遊びに出かけていました
この仲間5人で、ある日奈良県五条市の田舎から大阪みなみの道頓堀に出かけたのです
目的は、当時爆発的ヒットを放った「燃えよドラゴン」と言う、ブルースリー主演のカンフー映画のロードショーを観に行くためでした
田舎者の私達は、近鉄難波駅に着いた後地上に出てから、映画館を見つける事が出来ず約1時間程度さ迷い歩いたのです
疲れて誰とはなく「タクシーで映画館に横付けしてもらおう」と言いだして、流しタクシーを止めて乗り込み「〇〇映画館までお願いします」と、行き先を告げたのです
するとタクシー運転手サンは不機嫌そうな顔で「○○映画館は目の前やがな。歩いていけ!」と、タクシーを下ろされ、乗車拒否されたのです
生まれて今日まで、タクシーに乗車拒否された経験は、この時が最初で最後の経験となっています
タクシーの運転手の教え通り映画館は乗車拒否された場所から2分程度の場所でした
さすが当時爆発的人気を誇ったロードショウだけあり、チケットを求めて並ぶ人列が映画館を1周取り巻くほどの盛況な状況でした
1時間以上並んで入館したものの、立ち見状態で立錐の余地もないほどで、消防法等の関係等から今では考えられないものでした
映画の内容は香港島から少し離れた主催者が所有する島で、世界中から集められた武道の達人が真剣勝負をして、最強の人物を選び出すと言うストりーですが、内容はほとんど覚えていないのです
ただし、香港島を出港して主催者所有の島へ向かう船の中で、ブルースリーに喧嘩を吹っかけてきた武闘家に対して、ブルースリーは「船の上では皆に迷惑になるから、そこにある救命ボートに乗り移って、救命ボートの上で勝負をしよう」と提案したのです
喧嘩を吹っかけてきた武闘家を先に救命ボートに乗せるや否や、自分は乗らずに救命ボートのロープを船から切り離したのです
この時ブルースリーが「戦わずして勝」と、言ったのでした
映画の内容はほとんど覚えていないのですが、彼が述べた「戦わずして勝」と、言う言葉だけが頭に残り、帰って調べてみると「孫氏の兵法」にありました
60年ほど前の古い昔のこの一場面は、今でもしっかり覚えていて、現在私は警備業に従事する警備員の教育の時間に使っています
今年の4月から奈良県桜井市の大神神社で警備を請け負わせていただいているので、施設に携わる警備員の方々に教育をする機会を与えれているですが、私が高校生だった時に観た映画の、この一場面を思い出しながら「戦わずして勝」と、言う意味と実際に警備現場で使う警備手法として具体的に「相手を観察する事」として、教えています
先日神社の境内で正に「戦わずして勝」を実践した警備方法が記載された「警備報告書」が、会社に挙がってきました
高校時代の遠い昔の古い思い出の中にあった「孫氏の兵法」と言う教えを、今現代の職場の教育に使わさせていただいています